レッスンで見えてくる ”ないないブロック”🎹


レッスンの中で、生徒さんを悩ませる上手くいかない、~できないこと。
そう!一つ前のブログを読んでいただいた方には、ピンとくるかと思いますが、
ピアノを弾く中で出てくる ”ないないブロック” です。

どうしてもこの箇所にくると間違ったり、音が抜けたりして弾けない!
音の流れに乗れない!
ピアノの先生に指摘される変な癖で、言われる通りに弾けない!
テンポキープできない!
などなどの”ないない”の数々・・・
人それぞれに必ず色んなお困りをお持ちです。

そこで、止まってしまったり、いつもその箇所で辛くなる、果ては弾きたくなくなってしまう、嫌になる。
レッスンで弾いている生徒さんの横に座っていて、その辛さがひしひしと伝わってくるのです。

普通のピアノレッスンでは耳慣れないクラシックの練習曲が初級では中心になります。
(特に、保育士養成校ではバイエルを弾けるということが最低限求められます。)
できない箇所に対して、「こう弾く」とか「ここがこうなってくるから弾けない」と先生から指摘され、それに気を付けながら練習を重ねていくと思います。
頑張って練習して上手くいくこともあれば、量的にこなすと指慣れして上手くいくこともありますが、
どうしてもその出来ない上手くいかないがずっと続き、ピアノを続ける心の灯が消えてしまい、
結果、ピアノが楽しくなくなってレッスンを止めてしまった。という方もかなりの数おられます。
昔のピアノの先生は、怖かった!という方も意外に多くて、それを止めた理由に挙げられる方もいます。

ピアノは習熟するのに時間がかかる楽器で、奥行きがどこまでも深いので満足するレベルに達するまでになかなか到達できない。
実際に、一人で簡単に自由に弾いて楽しめたり、保育士さんのように仕事に使っていくのにどう活用できるか分かりにくいと思います。

本来、音楽ってそんな苦しさが伴うものではないと思います。
ピアニストになる訳ではないならば、どこまでのテクニックが必要でしょうか。。

話が少し脱線しかかっているので、元に戻しますね。(笑)

以前Instagramで、楽譜は ”音楽の地図” という投稿をしました。
音楽を楽しむために、楽譜という地図を見ながら楽譜に書いてある音符を読み参考にして弾いているだけなのです。地図のように最終到達点に行きつくまでには、いろんなルートがあって、一般道や高速道も選べるし、近道やう回路だって選べる!
だからどう弾くか、どう楽しむかで、誰かと全く同じ音楽になるということはなく、誰かの真似っこの音楽は、その人らしさも面白さも出てこないと思うのです。音楽は、自由に表現して楽しむものだと思います。
しかしながら、正確にきちんと弾くということはピアノ習熟の過程で不必要だと言っているのではありません。
正確にきちんと弾けることは大事です。これが基本になります。
これが基本だからこそ、そこに端を発して”ないないブロック” かかることがあります。

『楽譜は絶対!楽譜に書いてある音符の通りに間違いなくきちんと弾かなければいけない!』

恥ずかしながら、これ私にもあったのです!
楽譜から離れられない、楽譜を見てないと不安で仕方ない、だから暗譜するなんてできない、一音一音をきちんと出せないといけない、きちんと弾かないといけない、勝手に弾いちゃいけない・・・
ここだけでもこれだけの ”ないないブロック” に縛られていましたよ。(汗)

生徒さんを見ていて、ここまでではなくても結構近い状態にいる方もいらっしゃいます。
みなさん漏れなくつまづいて沼のように抜けられなくなっています。
この”ないないブロック” が見つかると、同じように現実の実生活の中に似たようないつもなかなか乗り越えられない壁が存在するんです。それにぶつかって行く手を阻まれる感じであったり、枠の中でがんじがらめに縛られているような感じであったり・・・

例えば、
ピアノで、いつもここぞというクライマックスのサビの箇所に入る直前の音でどうしても思い切り入れなくて躊躇してしまい、何度やっても上手くいかない。。
       ↓(=)
実生活で、ここぞという肝心な決めたい正念場で、めちゃくちゃ用意準備してきたにもかかわらず、実力を発揮できなくて失敗するか中途半端な結果しか出すことができない。。
以前の失敗で、体はカチカチに緊張して只でさえ気持ちも後ろ向きなのに更に出来ないの上塗りがされ、やっぱり自分はダメなんだと自分にダメ出しをしたり、諦めてしまったりのパターンを繰り返す。

なんてことが、多々あります。
弾いている様子を観察しながらいろんな角度から分析し、その方に寄り添っていくと心の内面からのつぶやきが聞こえてくるようです。私が感じたことを伝えるとピアノの悩みが実生活の悩みとリンクしていることに気づかれます。
ここまでくるとどういう状態で弾けていないかの解説をしその対処法についてお伝えし、ゆっくり紐解きながら進めていきます。どの方もこういう場面にぶち当たっている時、楽譜から絶対に目を離されません。楽譜に目は釘付けなんです!
楽譜が絶対で頼れるところは楽譜しかないので、目を離すことなくガン見状態!
だけど・・・
本当に大事なのは今起こっているその場所!そこ! 現場!の鍵盤上の手指!
そこに向き合えないから、楽譜をガン見してちゃんと見ようとしていなかったりするんです。
苦手な部分や上手くできない所ってあまり見たくないですよね。。
そこを見ないために楽譜をガン見しているだけに過ぎなかったりするんだけど、ご自身でそこに意外と気づかれてなかったりします。
ピアノが弾けるようになっていくうちに、ポロリと何かが落ちたかのようにスルりと越えられていきます。
実生活の越えられない悩みよりもピアノでのつまづきの方がより越えやすい課題で、その課題を越えられると実生活の悩みにもつながっていって、一緒に越えられるようになっていくきっかけになると思うのです。
ピアノレッスンの中で見えることから書きましたが、日常の癖やいつも繰り返すちょっとした失敗も何か “ないないブロック” に関係することとつながっている可能性があります。苦く辛く難しいことに向き合うのは、心の負担も大きいです。身近にあるちょっとした違和感から見つめていくのがコツであったりするのです。

一つでもいいですので、まず見つめる一歩を踏み出してはみませんか?

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