子どもの気持ちを引き出す絵本📖

10月に入ったというのに、まだまだ30℃越えの暑さが続いています。
太宰府の山手にいると、朝晩は涼しいというより肌寒さを感じたりもしますが、
気温差が大きくて半袖と長袖の両方が活躍しています。
街中に下りてくると、下界は暑い💦です。
今週は、中秋の名月でした。
今年の満月の横には明るい星が光っていました。
土星をお月様はお供にしていたようですね🌕
お月様は綺麗でしたが、暑さのせいかススキはまだまだのようです。
そして、二十四節気の『寒露』を迎えました。
冷たい露が降りる時期を意味し、本格的な秋が始まる頃と言われています。
今週末には少し秋らしくなるといいですね。

うろこ雲(いわし雲):秋空によく見る雲。
巻積雲の一種で、上空の高いところに発生する雲で、
手を伸ばして雲の塊が指1本に隠れてしまうくらいの
小さい雲を言います。
雲が大きくなっていくとひつじ雲、
さらに大きくなると雨を降らせる雲へと変化し、
天気が下り坂になって雨が降る可能性が高くなるそうです。

さて、月に一度は保育に関係することを投稿したいなと思い、
最近ちょこちょこ投稿しています。
今日は、私も使っていて ”いいな” と思ったこの本をご紹介します❣

『うれしいさん かなしいさん』  
まつおか きょうこ さく・え 
 東京子ども図書館

この本は前からも後ろからも読める面白い絵本です。
読み進めると、どちらから読んでもうれしいことと悲しいことが交互に
次々展開していきます。
そして・・・

この絵本の特徴ですが、
前から読んでも、
反対に後ろから読んでも、
真ん中で出会って、みんなうれしいさんになる絵本なのです。
余分な色や線がないシンプルな絵本です。
なので、
『うれしい』『かなしい』の気持ちが
ストレートに感じられてインパクトがあります。
絵本を読んでいると、
うれしい顔の時は、子どもたちもにっこりしていて
かなしい顔の時は、子どもたちも悲しそうな顔をしています。
この絵本を読んだ後、クラスで起こった出来事の中で、
以前は、子どもたちに「どんな気持ちなのかな?」
と投げかけていたのですが、
なかなか言葉になりにくい感じがありました。
そこで、

『今の気持ちは、 ”うれしいさん”?
 それとも ”かなしいさん”? 』

と投げかけてみました。
すると子どもたちから即答するように返事が返ってきました。

カリキュラムの中に”自分の思いや気持ちを言葉で表現できるようになる”
というねらいもありますね。
子どもたちと話をしていてよく感じたのですが、
自分の気持ちを伝える時、
伝えたい気持ちがあるのに、
まだどう表現していいのか、どう伝えたらいいのか?
分からないんだと思います。
気持ちを言葉に置き換える経験は、
保育園や幼稚園くらいの年齢では大人に比べて圧倒的に少ないです。
大人でも、自分の気持ちを伝えるのって難しく感じる時がありますね。
大人でもそうですから、子どもはなおさらです。
家庭の中で、年が上の兄弟がいる、祖父母やおじさんおばさんなど
色々な人との言語的環境が多くあることなども経験に関係してきます。
すぐに言葉が出てこなくて、
・口ごもってしまう、
・もじもじしてしまう、
・黙り込んでしまう、
・目が泳いでしまう・・・
などなど
何か上手く言葉に出来ないというもどかしさを
子どもたちの表情や様子を見ていて感じていました。
それが即答で返ってきたんです!
気持ちという目には見えないものを表現するのに、
分かりやすい擬人化されたキャラクターが出てきたんです!
この絵本は、自分の気持ちをスムーズに伝えるというきっかけになりました。

この時私は、 ”うれしいさん” と ”かなしいさん” を
それぞれコピーして厚紙に貼り付けてカードを作りました。
子どもとの会話や子ども同士の会話の中で、
気持ちを上手く伝えられていないなと感じる場面で、
このカードを使ってみました。
子どもたちは、この絵本をたくさん見ていますから、
絵本の世界と同じように気持ちをまず伝えられるようになりました。
特に悲しい気持ちになった時、
泣くだけではなくて「いま、かなしいさんなんだよ~」と
言葉につないでいくきっかけになりました。
子どもからの話を聞く時は、
「悲しかった」「嬉しかった」「悔しかった」などの気持ちを
まず最初にしっかりと抱きしめるように受け止めてあげてくださいね。
そうすると受け止めてもらえたという安心感から、
子どもの心の中にある気持ちを
言葉に変えていくことがスムーズになると思います。

そして、このカードを子どもたちの手の届く場所に置いておきました。
誰となく子どもたちが手に取るようになりました。
〇自分の気持ちを伝える時
〇お友だちの気持ちを代弁する時
〇お話ごっこをする時
日常の出来事をこのカードを使って表現するようになりました。
もちろん絵本も自由に手に取れるようにしました。

運動会が終わると次に発表会へとシフトしていく時期だと思います。
一年のうち半分以上が過ぎてくると、
子どもたちの言語的成長も大きくなってくるので、
発表会では劇などの活動を取り入れていきます。
体を使いながら表現をしたり、セリフを言ったりすることにも
その前段階としてつながっていきます。

子どもたちの様子や発達段階に合わせて、
保育の場面で
この絵本を参考にしていただけると幸いです。

彼岸花(白):
彼岸の始まる頃に咲き始め、
終わる頃に枯れるのが名前の由来と言われ、
開花期間は短いです。
地面から突然花茎を伸ばし花を咲かせ、
花が終わると細長い葉を茂らせます。
花や茎、特に根に毒性があります。
そのため、ネズミやモグラ除けに
田んぼの畦に植えられることが多かったそうです。