暦と薬膳のつぶやき③~芒種をすぎて

5月6日の立夏(りっか)で暦の上では夏が始まりましたが、今年は例年より早く梅雨入りし、雨が続き一気に湿度が増して蒸し暑さを感じる日が多くなりました。
6月6日に「芒種」を迎えました。芒は、稲などの穂先にあるトゲのこと=芒(のぎ)という言葉からきていて、「穂の出る植物の種をまくのに適した頃」を言います。田んぼでは田植えが始まって、昔々から暦が生活の中に根付いていることが分かりますね。21日はもう「夏至」、太陽が出ている時間が最も長くなり陽の気が盛んになります。梅雨の中休みが続いていますが、まだ梅雨の終わりかけの雨には注意が必要です。

梅雨と言えば、雨。
雨と言えば、湿気。
これが、大変!!油断大敵なのです。

この所、頭痛に肩の痛み、お腹の不調(食欲不振・嘔吐・便の不調)、骨折したところの痛み、手指のこわばりや足のむくみ、全然部位は違うんですが色んな症状が・・・
どれもツラい。

これ全部 湿気=湿邪の影響でした。

体の中には潤いという水分(きれいな水)が必要です。
湿というのは潤いにはならない濁って汚れた水分が、本来ならば排出されてきれいな水と入れ替わるんですが、澱んだ水となって体に溜ったものなんです。
いろんな部位に溜まった水は、澱んで体に悪さをしてしまいます。
私の場合の原因は、長く続いている脾胃の不調。
脾胃は、簡単に言えば消化吸収や栄養や水分を体中に運んだり、新しい水を作ったり、消化したものからエネルギーとなるものを作ったりするのを助けていきます。脾胃の不調は、この働きに影響をしてあちこちに症状を作ってしまいます。
脾胃の不調があるので、体の中に溜まった水を排出できないのです。
私に見られた頭痛・肩の痛み・お腹の不調・手指や足の痛み、むくみ、体の重だるさをはじめ、他には水や膿が溜まったり、思考は脾と結びついているのでくよくよ思い悩むなどの症状も出てくるようです。


そこで、「湿気さよなら大作戦❣」


私は、かなり脾胃が弱っているのでそう簡単にはいかないのは百も承知の上で、地道にできることをやってみよう!という作戦。
ここからは、薬膳教室備忘録です。

基本は、土用の養生でもある
☆甘いもの☆冷たいもの☆脂っこいもの☆辛いもの☆生もの(サラダや刺身など)に気を付ける
=なるべく摂らない。
に加えて、
梅雨時期は、酸味(酢やポン酢、梅干し、レモンなど)を摂らない。 
穀物と野菜中心で脾胃を守る という作戦です。
もちろん漢方薬も使って補っていきます。

酸味は体の中にある不要な水分を排出するのを止めてしまう(収斂する)働きがあるそうです。
蒸し暑くてさっぱりしたい → 酸味のあるものが欲しい所ですが、我慢です。

エネルギー源の基本は、ハト麦入りのお粥。
実はお粥大嫌いだったんですが、昨年からずっと朝食のお粥を続けています。大好きとまではいかなくても最近はご飯と同じように食べれるようになりました。
野菜や海草は、湿を取ってくれるものを使うようにします。
お味噌汁には、もずくやワカメ、あおさのどれかと野菜を入れます。
野菜は、トウモロコシ・アスパラガス・きゅうり・ナス・もやし・レタス・水菜・豆類・イモ類・山芋・かぼちゃに、アサリ貝や旬の魚を中心にお肉も時々摂っていこうと思います。

ハト麦入りのお粥ですが、体感でいい感じです!
別に茹でて1時間ほど置いてから普通にお米と炊くのもいいのではないでしょうか。プチプチした触感なので、スープに入れてもいいかもしれません。ハト麦は、ちょっと固めなので別茹でしておくのがポイントです。湿を取ってくれますし、イボに効くとか肌がきれいになるとか昔から言われていましたね。
トウモロコシのひげ茶も、湿を出すのにとてもいいそうです。ひげって要らないもので捨てていたのですが、青いひげは細かく切ってトウモロコシご飯に混ぜて炊いたり、おかずの中に混ぜ込んだりすると気づかずに食べられます。先っぽの黒いひげと実を取った芯は、優しい味のスープになって余すところなく美味しくいただけます。
湿を出すものは、利水効果のためトイレが近くなるのにご注意を!
ハト麦はスーパーのお米売り場や中華食材を売っているお店、漢方薬局、ネットショップでも購入できると思います。カルディなどの食材専門店では、トウモロコシのひげ茶も扱っているようです。

もし気になる症状や湿が溜まってる?って思われたら、お試しくださいね。

梅雨が明けるまでは、あともう一月くらい。
どうぞみなさん、健やかにお過ごしくださいね。



しらがきひろこ先生の薬膳料理教室にて
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