待ち遠しい春の養生法❁

2月18日 暦の上で二十四節気の「雨水」を迎えました。
「雨水」は、雪が雨になり、氷が解けて水になり徐々に暖かくなってきた頃のことを言います。
この時期は、農耕の準備を始める時期の目安とされてきたそうです。
また生活の中では、この時期ひな人形を飾ると良縁に恵まれるとも言われています。

水仙(スイセン)
福岡城址のお堀の土手で、暖かい日差しを浴びて
気持ちよさそうに咲いていました。
”氷を割って春の喜びを告げる花”といわれ、
縁起の良い花とされています。

先日、毎月の東洋医学の勉強会に参加してきました。
数年前かなり体調を崩していた私は、自分の体について学びなおしたい。日頃の生活の中で、体を整える養生法はないかと思ったのがキッカケでした。
私には、西洋医学で知った知識は少しありましたが、東洋医学の知識はほとんどありませんでした。
東洋思想も含めて一から学び始めて、5年目になります。
古典といわれる書物は、全て漢文ですから読み下し文でも馴染みのない言葉が多く最初はチンプンカンプンでした。
年を重ねて少しずつですが、分かりやすく教えていただきながら、季節の移り変わりの中での体の変化に合わせた暮らし方や養生のポイントが理解できるようになってきました。

勉強会の備忘録ですが、四季に合わせた養生について書かれた『四気調神大論』をシェアしたいと思います。

春は、2月3月4月をいう。この季節は、発陳といいギュッと縮こまっていたものがはじけるような気を持つ。
天地は、春の気の中で万物が生き生きと栄える。
夜は早く寝て朝早く起き、ゆったりと庭を散歩する。
髪は結ばずにほどき、ゆったりとした衣服にする。
これらのことをするとやる気が生まれてくる。
殺すのではなく生かしていく、奪うのではなく与えていく、罰するのではなく褒めていく。
これが春の気に応じた生きる力を養うことである。
これに逆らえば、すぐさま肝を傷め、夏なのに寒さを感じ、夏の成長の気まで不足してしまうことになる。

ポイント
〇寒暖の差が大きいので、体を温めながら、心身を解放しのびやかに過ごせるようにする
〇早寝早起きと緩やかな運動をする
〇ゆったりとリラックスした服装にする
〇外に目が向き、やる気が出てくる時期なので、制限したり厳しくするよりも良いところを活かし褒めていく

春は春一番が吹くという言葉があるくらいで、強い風が吹きます。
風は、心地よい時もありますが、強くなると体がだんだんと冷えてきます。
寒暖差も大きいですね。三寒四温というように冬の寒さと春の暖かさを交互に繰り返しながら季節が進んでいきます。
だから冷えないようにすることが大事です。
環境や生活の変化などで自律神経も乱れがちになるので、ゆったりと過ごしながら体に負担の少ない運動をすることで、気の巡りを良くしていきます。
春の陽気は、私たちの気持ちも明るく解放的にさせてくれます。
春の気は、外に向かって弾けるように広がろうとしますから、体の上部に上っていきます。そのため、首から上に症状が出やすくなります。
私も、数日前からふわぁ~と右回りにめまいがするようになり、バタバタと少し頑張りすぎているなぁと反省しました。
体調不良を感じたら、とにかく寝る、睡眠を十分にとることが一番!早く寝ることを優先します。
そして、いつも見ていただいている鍼灸の先生に整えてもらい、食生活に旬の食べ物を取り入れながら、漢方薬を補助的に飲んでいます。
生活習慣や食生活を変えながら季節に合わせて体調を整えていくことは、私の体に負担が少なかったのです。
お陰様で、酷かった花粉症はここ数年発症しなくなりました。
体調が悪くなる時には、無理な体の使い方をしたとか体を冷やすものを多く食べてしまったなどそれなりに理由や原因があるので、そこを整えていくと、どうにも回復しないような状態にはならずに済んでいます。

私たちの日常は、時間に追われて忙しくなっています。一日一日があっという間に過ぎていくように感じます。
この時期は年度末にもあたるので、いつもより業務量が増してくるかもしれません。
それに比例するように様々なストレスを感じることも多いと思います。
そんな中で、心をゆったりと保つためには、ゆとりが必要です。
自分のための時間を30分…いや15分でも作って、自分の好きなもの…大好きな飲み物や香り、ご褒美のおやつ、音楽などに囲まれてリラックスするのもいいと思います。
あれもこれもとすることは限りなく出てきますが、取捨選択しながら優先順位を決めてゆったりと進めていきたいですね。
私と同じようにしようと慣れないことをするのは、あまりおススメしません。
まだまだ春になったとはいえ足踏みしていますから、出来ることがあれば少しずつ取り入れながら、ご自身の体の声を聞いてみてはいかがでしょうか?

近くの公園で見かけたマガモ:
この時期、緑色の頭と黄色のくちばしがオス。メスは全身がほぼ黒褐色。
つがいを形成し、もうすぐ繁殖地の北に向かうようです。