今年の春は、冬と夏のような日を行ったり来たりしながら進んでいます。
福岡では、桜の開花宣言は出ましたが、風が強く未だ寒さを感じます。
公園へと向かう家族連れや楽しそうにお喋りしながら歩く方々を見ながら、
やっと春らしくなってきた今を楽しんである様子が感じられます。
花粉症が再発した私はそそくさと家へと戻ります。黄砂もひどいですね💦
それでも身の回りに感じられる木々や草花の変化に、十分春が感じられています。
もう4月4日に暦では、二十四節気の「清明」を迎えます。
清明は、晩春を表す季語のひとつです。
そして、爽やかな春風が吹いて暖かくなり、草木が美しく清らかである様子をいう「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略した言葉です。
周りの草木に目を向けると芽吹きや開花、鳥のさえずり、蝶がひらひらと飛び回ったりと賑やかになってきました。
この時期、東南から吹く心地よい風を清明風というそうです。
北風の季節が終わり、本格的な春の訪れを教えてくれる風のようです。

花弁が5枚の小さな花が、一斉に咲くと
とても存在感がありますね。
写真を撮る時に、どこを撮ろうかと迷います💦
お勤めの方は、新しい年度が始まり、転職や異動される方もいるかもしれません。
学生の方は、入学や進級の時期になりますね。
今までとは違った環境に対して、
期待してワクワクするような楽しみな気持ちと
知らない環境に対する不安が入り混じる時期ではないでしょうか。
先日夫と話していると、まさにその様に感じました。
夫は4月1日から、職種変更の上の勤務先の異動になりました。
様々な現場を渡ってきた彼ですが、希望していた職場なのに、
予想外に不安な様子で心の中の整理できないことをあれこれと話していて、
きっと大丈夫なのになぁ・・・と思いながら、話を聞いていました。
ふと、昔好きで何度も読み返していた渡辺和子先生の
『置かれた場所で咲きなさい』という言葉が浮かんできました。
渡辺和子先生は、ノートルダム修道女会に入られた後、
アメリカに派遣され日本に帰国後、
岡山のノートルダム清心女子大学の学長、理事長を歴任された方です。
ご著書の『置かれた場所で咲きなさい』の表題ですが、
渡辺先生ご自身心乱れることが多かった時期、
一人の宣教師から手渡された短い英詩
”Bloom where God has planted you”
が、ご自身の思い方や生き方を見つめなおされるきっかけになったものでした。
「置かれたところで咲きなさい」の後に続く文章があります。
「咲くということは、仕方ないと諦めることではありません。
それは自分が笑顔で幸せに生き、周囲の人々も幸せにすることによって、
神が、あなたをここにお植えになったのは間違いでなかったと、
証明することなのです。」
「時間の使い方は、そのままいのちの使い方なのですよ。
置かれたところで咲いてください。」
「どうしても咲けない時もあります。
雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。
その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。
次に咲く花が、より大きく美しいものとなるために。」
置かれた場に不平不満を持ち、
他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、
私は環境の奴隷でしかない。
人間として生まれてきたからには、
どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、
決心することが出来ました。
それは、「私が変わる」ことによってのみ可能でした。
(『置かれた場所で咲きなさい』 幻冬舎 より抜粋)
環境や境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる。
時間の使い方は、そのままいのちの使い方なのだから、
過去やまだ見ぬ未来を心配したり、思い悩んでいるのではなく、
「現在」「今ここ」を私は、どう生きたい?どう歩みたいのか?どう暮らしたいか?
自分らしく自分の手でいのちを紡いでいく過程は、
かけがえのない時間なのだと思います。
初めてこの本を手に取った時から、もう10年くらいの歳月が経ってしまいました。
当時と比べると、歳も取りましたし、社会での立ち位置も変わりました。
生き方も考え方も大きく変わりました。
もう渡辺先生は、この世にいらっしゃいませんが、
本を開くと今も優しく語りかけてくださいます。
久し振りに文字を追いながら、温かい気持ちになったり、
少し成長した自分を感じながら、
「今ここ」を大事に精一杯歩んでいきたいなと思いました🍀🍀
みなさんもそれぞれにいろいろな境遇や環境に身を置かれるであろう、
この春だと思います。
『置かれた場所で咲きなさい』
置かれた場所で見事な花を咲かせられることを願い、
エールをお送りいたします❣

寒かったこの春は、一気にいろいろな花が咲き始めています。
桜以外にも素敵な花が、春の到来を告げていますよ。
紫がかったピンクのシモクレン(紫木蓮)も素敵です。