「続けられる人」と「途中で止まってしまう人」
その違いは、練習時間や才能ではなく
実は、”鍵盤に向かう時の気持ち”にあるのかもしれません。
上手くいかない日、思うように弾けない時間。
そんなとき、どんなふうにピアノと向き合っているのか。
前回の記事では、
「大人のピアノが続く人の共通点」として、いくつかのヒントをご紹介しましたが、
今回はそのもう少し内側、
実際に鍵盤に向かっているときの“感覚”に目を向けてみたいと思います。
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「よく分からないんですけど・・・なんだか気持ちよく弾けたんです。」
ある生徒さんが、ふとこんなことをおっしゃったことがありました。
そうおっしゃるくらい素敵な演奏をされた後の言葉でした。
この言葉を聞いたとき、
大人のピアノが続く理由は、ここにあるのかもしれないと感じました。
ピアノに向かうとき、
ご自分が苦手な所や何度も繰り返しミスしてしまう所が気になると、
弾けるのかと不安でいっぱいになってしまいます。
「ちゃんと弾かなくっちゃ」
「間違えずに弾きたい」
そんな思いが、
グルグル頭の中でエンドレスに回り始めます。
こうした不安は、
大人になってからピアノを始めた方にとって、
とても自然なものです。
「楽譜が読めない」「指が動かない」
そう感じることも、決して特別なことではありません。
実際に弾くことに緊張を感じたり、
胸がドキドキしてきたり、
呼吸が浅くて胸苦しくなったりもします。
でも、ふとそう思うことを少しだけ手放したとき、
ご自分が奏でる音の世界に入っていく。
そのとき、
音がすうっと、やわらかくこころの内側に入ってくる瞬間があります。
楽譜の中の音符がどうとか
指をどう動かすかでもなく、
先生や周りで聴いている人がどう思うんだろうかとかも
全く関係なく、
今鳴っている音に、そのまま耳を傾けている時間。
全身で奏でだす音を感じている時間。
音の一つひとつではなく、流れとして感じられるようになると、
また違った心地よさが見えてくることもあります。
小さな音の変化が、音の流れを動かし始めるときがあります。
その感覚の中にいるとき、
なぜか、
ちゃんと弾けているかどうかとは、少し離れたところにいる自分。
不思議な心地よさがこころの中に静かに広がっていきます。
ご自分の音と向き合い、
その音が良いとか悪いとかとも関係なく、
日常から離れて自分を感じて、自分に戻る時間。
ご自分が、ありのままの自分であっていいと感じられる
穏やかで、やさしい時間。
たぶん、
その心地よさを知ってしまったからなのかもしれません。
今日もまた、ほんの少しだけ鍵盤に触れる時間が、
やさしく積み重なっていきますように。
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